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#0002 メトトレキサート併用または単独投与としてのトシリズマブは、関節リウマチに有効か:ランダム化臨床試験

Liu T, Wang L, Zhang X, Chen L, Liu Y, Jiang Z, et al. Tocilizumab Monotherapy or Combined With Methotrexate for Rheumatoid Arthritis: A Randomized Clinical Trial. JAMA Netw Open. 2025;8(5):e2511095.

【抄録】
目的:csDMARDs不応の活動性RA成人における、皮下注トシリズマブ単独療法、トシリズマブ+メトトレキサート(MTX)、MTX単独の有効性・安全性を比較すること。デザイン:中国19施設で二重盲検並行群デザイン、24週の盲検期と24週の延長期を実施。主要評価項目:24週時ACR20達成。結果:340例をランダム化(TCZ+MTX 136、TCZ単独 136、MTX 68)。24週ACR20はTCZ+MTX 52.9%、TCZ単独 50.0%、MTX 25.0%で、両TCZ群はMTX群より有意に高率。48週でも効果維持または改善を示し、新たな安全性シグナルなし。結論:皮下注トシリズマブは単独でも併用でも、MTX単独より有効で忍容性は良好。外的妥当性の検証が今後必要。

【PICO】
P:csDMARDs不応の活動性関節リウマチ成人
I:トシリズマブ皮下注(162 mg隔週)+MTX、またはトシリズマブ単独
C:MTX単独
O:主要=24週ACR20、主要以外=48週までの有効性維持、56週までの安全性

【要約】
a) 既知:IL-6阻害薬TCZはRAに有効。併用か単独かの最適戦略は患者背景により議論がある。
b) 付加:同一試験内でTCZ単独、併用、MTX単独を直接比較。中国集団で皮下注製剤の有効性を明確化。
c) 将来への示唆:TCZ単独でも一定の有効性があり、MTX不耐や禁忌例の選択肢に。多民族集団での再検証が必要。
d) 方法の要点:二重盲検、2:2:1無作為化、事前規定ACR20主要評価、DAS28による延長期移行基準。
e) 強み:大規模相対比較、盲検デザイン、延長期までの追跡。
f) 限界:地域・民族の限定、企業関与、48週までで構造的損傷評価が限定的。

【ポイント】
・TCZ単独でも24週ACR20はMTX単独を上回る。
・併用(TCZ+MTX)が最も高い反応率を示す傾向。
・安全性に新規懸念なしだが、外的妥当性の検証が課題。

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